水質処理のマメ知識

    ●水質原因によるボイラトラブル

    @ボイラの主な腐食の原因としては

    • ボイラ水のPHが低いこと
    • 溶存酸素の濃度が高いこと
    • 有害イオン(塩化物イオン等)の濃度が高いこと

    が挙げられます。

    『全面腐食』
    金属面全体に発生する腐食で、PHが低い程大きく進行します。
    ボイラ水のPHを11.0〜11.8位に保つ事が防食上望ましいといえます。

    『ピッチング腐食』
    腐食因子となる給水中の溶存酸素がボイラ内に存在する場合、局部的な腐食「ピッチング腐食」が 発生します。
    薬剤による皮膜形成や脱酸素処理(薬剤処理・機械処理)等が必要となります。
    又、この溶存酸素は蒸気中へも移行する為、注意が必要です。

    Aスケール障害
    軟水器等からの硬度漏れにより、ボイラ缶体へスケール付着をおこします。 伝熱効率の低下や水質のPH低下、水管の局部的過熱が起こり、場合により ボイラパンクに至る可能性もあります。

    ●ボイラ水処理薬品について

    ・清缶剤の役目
    ボイラ水の適正なブロー管理と共に、清缶剤投入により、ボイラ水のPHを適正に調整し 腐食を防止する機能があります。
    又、リン酸やポリマー配合により、硬度漏れによるスケール付着防止の役目もあります。 弊社では蒸気用途に応じ、食品添加物のみを使用したもの、リン規制に対応した無リンのもの 高分子ポリマーを配合し、スケール付着防止能力をアップしたもの等、多品種を取り揃えております。

    ・脱酸素剤の役目
    PHが適正となっていても、給水中の溶存酸素により腐食は発生します。 脱酸素剤の投入により溶存酸素を除去し、腐食を防止します。

    ・複合薬剤の役目
    清缶剤の効能と脱酸素剤の効能、両者を兼ね合わせた一液性の薬剤となります。
    又、脱酸素機能だけでなく、皮膜形成により、直接溶存酸素と反応させないタイプ等、 複合的に防食を目的とした薬剤となります。

    ・復水系防食剤の役目
    ボイラから出た蒸気は通常、炭酸ガスを含んだ弱酸性となり易く、蒸気配管を腐食させます。 復水系防食剤の投入により、この炭酸ガスを中和して腐食を防止します。
    又、この他に皮膜形成タイプや両方混合したタイプの防食剤もあります。

    ・分散剤の役目
    ボイラ水中の硬度成分等を分散させ、ブローにより缶外へ排出させます。
    既に付着しているスケールに対しても、徐々に剥離させる事が可能です。

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